後藤研究室

<直流及び交流磁界を併用した内挿プローブによる鋼管の外面減肉検査>

検査プローブと検査鋼管

 火力・原子力発電プラントなどの熱交換器で使用されている伝熱鋼管
 は安全性を保つために鋼管の定期的な検査が必須である。各種プラン
 トの伝熱鋼管は一般的に多管式であり、支持鋼板で固定されているた
 め、鋼管の外面または支持鋼板と鋼管の接触部に欠陥や減肉が発生
 する場合が多い。したがって伝熱鋼管の検査には高速かつ非接触で
 検査が可能な電磁気検査法が望ましい。本研究では管径が20φ以下
 であるため、挿入できるプローブの大きさに制限がある(比較図参照)。
 そこで本研究では、直流及び交流磁界を併用した内挿プローブを用い
 て支持鋼板付き鋼管の外面減肉検査を可能にする電磁気検査法の検
 討を行った。本検査プローブは直流及び交流磁界の合成磁界を適用し
 ているため、鋼管のマイナーループ磁気特性と、渦電流を考慮した非線形解析が必要になる。ここでは検査鋼管(STB340SC)のヒステリシス曲線を用いて、線形補間によりマイナーループを作製し、有限要素法による三次元非線形磁界解析と検証実験により評価検討を行っている。

ヒステリシス曲線

比較図