歩行器・車いす用電動牽引器の開発

 歩く,走るなど,全身を使った運動,いわゆる粗大運動の発達による能動的な移動手段の獲得は,自己と外界とを認知・学習していく重要な要素である.しかし,運動障害をもつ子ども達は能動的な移動経験が乏しく,周囲環境への関わりが受動的になりやすい.そのため,人・物や空間との相互作用を経験・学習することが阻害されやすく,認知・コミュニケーションや社会性の発達においても困難が生じることが多い.

 一方,運動障害を持つ子ども達に対して,早期から能動的な移動を練習することは,発達促進に有効であると報告されている.自らの意思で動く経験は,周囲の環境への興味・意欲の向上に役立ち,社会性や関心が育っていく過程で重要である.

 重い障害を持つ子ども達に対して能動的な移動を行う練習では,個々の能力に対応し安全に使用できる電動車いすや電動歩行器が必要となる.しかしながら,認知・操作面の課題があることや特別な工夫や改良等を必要とするため,非常に高価なものとなる.厚生労働省通知の補装具支給要件によると年齢,認知・操作能力の面で重度障害児が電動車いすを申請することは,事実上不可能であり,これらの装置の使用は現実的でない.

B-GOの写真車いすを牽引する様子

 そこで,子ども達が普段使用している歩行器・車いす等を牽引し電動化する,比較的安価かつ使い勝手のよい装置の提案を行い,開発した.本装置は,子ども達が自らの意思により自由に移動でき,自立度の向上,無力感の軽減,社会性や情緒,認知発達の機会促進を目指している.

 本研究開発はブライテック株式会社,別府発達医療センターの主導で行われ,本研究室はデータの収集や評価などを共同研究として行っている。

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池内研究室


歩行器・車いす用電動牽引器の開発