床反力の視聴覚フィードバック機構を有する歩行訓練システムの構築

脳卒中片麻痺患者の歩行訓練においてあげられる問題点が、麻痺側の支持性があるにも関わらず、麻痺側下肢に十分な荷重が行わずに歩行している点である。 麻痺側下肢に荷重できない事で、非麻痺側下肢優位の歩行となり、安定性及び流動性に欠け、歩行によるエネルギー効率が低下し、耐久性が低く長距離を歩けないばかりか、転倒のリスク及び非麻痺側の筋緊張を増加させ疼痛をもたらす。 また,下肢骨折などの患者においては,同様の問題に加えて,下肢への過剰負荷に注意する必要がある。 さらに,左右足への荷重時間を均一にし,歩行姿勢および歩行リズムの安定化を図れることが重要である。

訓練システムの概念図

現状では,これらの荷重管理は,体重計や鏡を用いた手法で,訓練中の評価は難しく,療法士の訓練前後の指導や声かけによる方法であり,十分な効果があるとは言いがたい。 そこで、下肢への荷重をリアルタイムに訓練者に提示し,下肢への適正な荷重や歩行リズムを促す歩行訓練機器の必要性が考えられる。 我々は,フォースプレートを用いた測定データの処理・加工,画像処理・音声処理機能による画像および音声情報提示により、麻痺側下肢の荷重量等が視聴覚的にフィードバックできる,図に示すような安全に自主的に歩行訓練を行えるシステムを提案・開発した。 システムの試作機は完成し,社会福祉法人農協共済別府リハビリテーションセンターに設置している。

以下はシステムの試験を行っている動画です。

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池内研究室


床反力の視聴覚フィードバック機構を有する歩行訓練システムの構築